小学生・中学生が読解力を鍛えるおすすめ方法は?効果的なトレーニング方法も紹介
公開日:「国語は好きじゃない。特に答えがあいまいな読解問題が苦手。他の教科でがんばる」
もしかしたら、このように考えているお子さんは多いかもしれません。
しかし読解力は、算数、理科、社会など、すべての科目で必要な力です。
どの科目も、文字で書かれた教科書や参考書、テスト問題を読み、回答する必要があるからです。
読解力がなければ、授業の内容やテストで問われていることを理解するのに時間がかかってしまいます。
逆にいえば、読解力を鍛えることで、他の教科の得点も効率よく底上げできるのです。
読解力が必要なのは、勉強だけではありません。
誰かと会話するときにも相手の気持ちを読み解き、適切に返すスキルが求められます。
● 自分の気持ちを言葉で伝えられるか
● 相手の言葉を理解できるか
これらができないと、これから生きていく上で支障が出てきてしまいます。
私たちの生活にとって、読解力はなくてはならないものです。
この記事では、読解力の鍛え方や、効果的なトレーニングについてご紹介します。
目次
読解力とは?小学生・中学生で求められる読解力
読解力とは、文章の意味や内容を理解する力のことです。
「語彙力」「論理的思考力」「要約力」「洞察力」など、読解力を上げるために鍛えるべき力はたくさんあります。
特に語彙力は、読解力を支える大切な土台です。
言葉を知らなければ、その文章を理解することは困難だからです。
小学生・中学生が読解力を鍛えることによって、得られるメリットは3つあります。
本から得られる知識の量を増やせるようになる
読解力があれば、1冊の本から沢山の知識をインプットできます。
また本を読むスピードが早くなるので、たくさんの本を読めます。
お子さんたちはこれから先の人生で、たくさんの決断を迫られる時期が訪れます。
そのとき、知識があればそれだけ選択肢を増やせるというわけです。
自分にとって有益な情報だけを取捨選択できるようになる
読解力があれば、たくさんの知識から自分にとって大切な情報だけを選びとれます。
残念ながらデマや誤った知識も多く流れているのがインターネットです。
一見本当のように思えても、新聞などで調べてみたら違っていたということはよくあります。
読解力があれば、文章を読んで「理論が破綻しているのでは?」と疑問を持ち、デマを見抜けるようになるのです。
すれ違い・誤解を防げるようになる
読解力があれば、周囲とのトラブルを防げるようになります。
今、中学生はもちろん、小学生でもスマートフォンを持っているお子さんが増えています。
そして友人と連絡を取るためのコミュニケーションは、SNSでさっと済ませてしまいます。
SNSでのコミュニケーションは、とても便利です。
しかし言葉足らずだったり、解釈がことなったりすることによるトラブルが急増しています。
読解力があれば「こういうことを言いたいのだろう」と推測できますし、相手にもよりわかりやすく伝えられます。
読解力が上がれば、コミュニケーション能力も鍛えられるのです。
小学生・中学生のうちから読解力を鍛えておくことで、その後の人生の可能性が大きく広がります。
では、どのように読解力を鍛えていけばよいでしょうか?
読解力を鍛えるおすすめの方法
読解力を鍛えるのに最良の方法は、保護者の方がお子さんの話に耳を傾けてあげることです。
さらに、「なぜ?」と問いかけながら一緒に会話してください。
もちろん、子どもたち同士の会話でも、ある程度の効果はあります。
しかし大人は子ども以上にたくさんの言葉を身につけています。
そしてこれまでの人生経験に基づいた、より深い考察のきっかけを、お子さんに与えられるはずです。
いかに親子のやりとりを増やすか、そしてやりとりの質を高めるかが、読解力を高める鍵なのです。
● 時間がないからと、お子さんの言いたいことを先回りして言ってしまっていませんか?
● お子さんが考え、口にする前に「答え」を言ってしまっていませんか?
● お子さんが本当にわかっているか確認せず「わかった?」と言い聞かせていませんか?
このような環境では、お子さんが自分で考える力が身につかなくなってしまいます。
読解力を上げることは、心の成長にもつながります。
小学生のお子さんは、これからいくらでも読解力を伸ばす時間があります。
中学生のお子さんでも、まだまだ間に合います。
特に中学生の場合は、部活動や塾、友達との付き合いで忙しくなるので、なおさら保護者の方が、意識してお子さんと会話する時間をつくる必要があるのです。
難しく考える必要はありません。
たとえばお子さんと一緒にTVを見ていて「これはどういう意味だと思う?」などと話しかけてみてください。
あるいはお子さんが読んだ漫画について「どんなお話だった?」「どの場面が面白かった?」と聞いてみるのも良いですね。
1日5分だけでも積み重ねれば効果があります。
ぜひ一緒に会話してみましょう。
読解力を鍛える効果的なトレーニング方法も紹介
小学生・中学生が読解力を鍛えるトレーニング方法を2つご紹介します。
本・新聞を要約してノートにまとめる
要約力をつけるのに効果的なトレーニングは、本を要約してノートにまとめることです。
もちろん本を読むだけでも読解力は向上しますが、要約を習慣づけることで、より効果が上がります。
本全体を要約するのは大変です。
章単位で、10文字から20文字前後にまとめるところから始めましょう。
以下の3つに着目すると、要約しやすくなります。
- 5W1H(いつ、どこで、だれが、何を、なぜ、どのように)
- 「しかし」「ところが」(逆接のあとに主張が出てくることが多い)
- 「つまり」「すなわち」(それまでの文をわかりやすく言い換えてくれるサイン)
要約トレーニングの注意点は、要約して終わりではなく、必ず第三者に見てもらうことです。
そうしないと、本当に要約できるかがわからないからです。
わかりづらかった部分を指摘してもらい、修正することで、さらにトレーニングの効果が上がります。
小学生……保護者の方がおすすめの本を選んであげるとよいでしょう。
また、小学生新聞を読んで、ノートにまとめましょう。
小学生新聞には『読売KODOMO新聞』『毎日小学生新聞』『朝日小学生新聞』などがあります。
1紙で十分ですので、試し読みして、気に入ったものを選びましょう。
中学生……今度はお子さんから本を選んでもらいましょう。
保護者が未読の本を勧めてきた場合は、ぜひ読む時間を作ってください。
また、一般の新聞の要約にもチャレンジしましょう。
まずは読みやすいコラム欄からはじめてみるのがおすすめです。
ノートにまとめるトレーニングを続けることで、頭の中でも自然に文章を要約できるようになりますよ。
音読する
長文に慣れないうちは、目で追っていくだけでは、だんだん疲れてしまいます。
そして大事な部分を読み飛ばしてしまう可能性があります。
何度も同じ文章を読み返すのは大変ですよね。
声に出して読むことで、目だけではなく耳からも情報を得られます。
一見、難しいなと思える文章でも、声に出して読んでみると、意外に簡単だったということはよくあります。
声に出すことで、情報を整理しやすくなるのです。
小学生…保護者の方と一緒に音読してみましょう。
一人で読むよりも楽しく続けられます。
句点ごとに交代して読んで見るのもおすすめです。
また2回目、3回目とだんだんスピードを上げることで、頭の体操にもなります。
上手に読めたらぜひほめてあげてください。
中学生……プロの朗読を聞いて一緒に読んだり、真似したりしてみましょう。
おすすめは青空文庫の朗読が多数収録された、青空朗読です。
無料で聞けるのが嬉しいですね。
プロの朗読者は、聞く人の心を揺さぶり、より世界に入り込めるよう、工夫をこらしています。
プロになりきって読んでみることで、新たに気付くこともあるはずです。
音読トレーニングを続けることで、声に出さなくても頭の中で情報を整理できるようになりますよ。
まとめ
今、小学生・中学生のお子さんたちも、いずれ社会に出て仕事をするようになります。
そしてほとんどの仕事は、複数人でチームを組み、ひとつのプロジェクトを進めていきます。
チームのメンバーは、それぞれ立場や価値観も異なります。
話を聞いて「○○さんは、こういう立場だから、こういう意見なのだな」「○○さんはこういう価値観だから、反対しているのだな」と読み解き、スピーディーに自分の答えを出す必要があるのです。
また、トラブルが発生した場合も「どういう経緯で、この問題が発生したのか」を手元の情報から素早く読み解き、わかりやすく説明できるかどうかで、その後の対応が変わってきます。
読解力は1日や2日で身につくものではありません。
ぜひ小学生・中学生のうちから、ぜひ二人三脚で読解力を鍛えて、その後の人生を豊かなものにしてください。