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高校選びのポイント解説!総合学科はこんな子におすすめ

高校選びのポイント解説!総合学科はこんな子におすすめ 公開日:

中学生の保護者の中には、総合学科自体がなかったり、一般的ではなかった世代の方も多いでしょう。
「総合学科って何?」「大学受験は目指せるの?」などと不安に思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、総合学科とはどんな学科なのか、どのような進路があるのか、そして向いているお子さんの特徴についてご紹介します。

総合学科とは?

総合学科とは?

総合学科は、一言でいうと自分の進路希望や興味・関心に合わせて科目を選択し、自分だけの授業をカスタマイズできる学科です。

総合学科は、1994年(平成6年)に文部科学省が「第3の学科」として導入しました。
ちなみに第1の学科は普通科、第2の学科は専門学科です。
これらは昔からありますので、保護者の方もイメージしやすいのではないでしょうか。

第1の学科普通科(共通科目が中心)
第2の学科専門学科(理数科、英語科、工業科、商業科、農業科など)
第3の学科総合学科(共通科目、専門科目の両方を学ぶ)

文部科学省のホームページによると、総合学科の数は、令和4年5月現在で、377校あります。生徒数は全体で約16万人です。
高校生の数が約300万人なので、約5%が総合学科に通っていることになります。

総合学科では、まるで大学のように、一人ひとり異なる「自分のだけの時間割」を作れます。
早い時期から幅広く、知りたいこと、やってみたいことに挑戦できます。

いざ大学や専門学校に入学したり、就職したりしてから「やっぱりあの仕事をやりたい、あの勉強をしたい」と思っても、進路を変更するのは大変です。
また時間もお金もかかります。
高校生のうちにいろいろなことにチャレンジしてみることで、ミスマッチを防げるので大きなメリットであるといえるでしょう。

また選択科目は少人数制となる高校も多く、きめ細やかな授業を受けられるのも特徴です。
「授業についていけなくなるのでは」という心配を減らせるのはうれしいですね。

どのような科目を学べるの?

総合学科では、国語・社会・理科・数学・英語の5科目や、音楽・美術・保健体育・技術家庭の副教科はもちろん、農業、工業、商業、家庭、看護、福祉、国際教養など、さまざまなことを学べます。

やりたいことについて、高校入学の時点では何も決まっていなかったとしても、1年生の間に将来の夢や目標を具体的に見つけた人は、早い段階からどんどん夢を実現するための科目を選択できます。

まだ夢が見つかっていない人は、バランス良く学びながら、ゆっくりと自分の将来について考えることが可能です。
総合学科は、普通科と専門学科の良いとこ取りとも言えそうですね。

選択できる科目数は? 何年生からどれくらい選択できる?

選択できる科目がどれくらいあるか、また何年生からどれくらいの科目を選択できるかは、学校によって異なります。

選択できる科目がどれくらいあるか、また何年生からどれくらいの科目を選択できるかは、学校によって異なります。

たとえば、ある高校は選択科目が140あります。
1年生は選択科目がありませんが、2年生で4科目、3年生で7科目選べるようになります。
別の高校では選択科目が160あり、1年生の時点で4科目選択できます。
2年生の選択科目は7科目、3年生で9科目です。
1年生のうちは基礎的な科目を学んでじっくり実力をつけて欲しいと考える高校もあれば、1年生のうちから好きなことに触れてほしいと考える高校もあるのです。

また3学期制ではなく、大学のように前期・後期の2期制を採用している高校もあります。
高校だけでなく近隣の大学と提携し、大学で学んだことを単位として認めている高校もあります。
このように多様な学び方ができるのが、総合学科の面白いところです。

選択科目が多いと「自分に合わないものを選択してしまったりするのでは?」と不安になるかもしれません。
高校によっては「看護、福祉系」「食、栄養系」「デザイン系」など、生徒の興味関心に応じて複数の科目を1まとめにしたものを用意しており、より選択しやすくなっているところもあります。
高校選びの際は、そのあたりもポイントにするとよいでしょう。

主な進路は?

主な進路は?

総合学科は、自分の興味関心に応じて学べる学科ということもあり、卒業後の進路が多種多様です。
例えばIT系の専門学校への進学を考えているなら、情報系の科目を多めに選択しておくことで、入学後の勉強が楽になるでしょう。
資格取得も目指せるので、事務職などへの就職を考えているお子さんにも良さそうです。では大学進学には不利なのでしょうか?
そんなことはありません。

以下の図のように、組み合わせ次第で受験に向けた勉強を効率よく有利に進められます。

国公立大学に進学したい国・社・理・数・英をバランス良く学ぶ
私立大学に進学したい文系は国・社、理系は理・数を多めに学ぶ
幼児教育系の大学に進学したい体育や音楽を専門的に学ぶ
※ピアノを選択できる高校もあります。

また、資格を取得したり、施設でボランティアをしたりするなどで推薦入試を受け、大学に進学するケースもあります。

総合学科に向いている子の特徴

総合学科に向いている子の特徴

総合学科に向いているお子さんの特徴は以下のとおりです。

  • 好奇心が旺盛で、自分の興味・関心のあることに全力で取り組める
  • 「自分の未来は自分でつくりたい」と考えており、主体性を持っている

将来何がしたいかをまだ決めていないけど、いろいろなことにチャレンジしたいと考えているお子さんは、さまざまな勉強をして、自分の可能性を広げられる総合学科が合っているといえます。
ただし、自分で自分の時間割を作る必要があるので、自分なりに課題を見つけるなど、ある程度の主体性は必要です。

科目ごとの少人数制は、きめ細やかなサポートが受けられる反面、同じ授業をクラス全員で受けることが多い普通科と比べ、クラスの人間関係が希薄になってしまう懸念もあります。
人見知りだったり、たくさん人がいると落ち着いて勉強できなかったりなど、少人数制の方が向いているお子さんもいますが、「友だちをたくさんつくりたい、大勢の仲間とワイワイしながら高校生活を過ごしたい」と考えているお子さんは、普通科の方が向いているかもしれません。

もし、やりたいことがある程度決まっているのであれば、総合学科の選択は遠回りになってしまう可能性があります。
また、少人数制は総合学科のメリットではありますが、難関大学を視野に入れている場合は、受験ノウハウが豊富な普通科の特進コースなどを目指した方がよいかもしれません。
その学校の卒業生が、どんな大学に合格しているのかを確認しておいたほうがよいでしょう。

まとめ

このように、お子さんの総合学科がなかったり、ほとんど用意されていなかった時代の保護者の中には「面白そう、自分が子どもの頃にこんな学科があればよかったのに!」と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ただ、総合学科のカリキュラムは、学校によってさまざまです。
せっかく総合学科に入学しても、自分の興味・関心がある分野の科目がなかったら、せっかくの3年間を有効に活用できません。
総合学科選びで失敗しないためには、しっかり情報収集することです。興味のある高校のホームページをチェックし、オープンスクールや体験入学は積極的に申し込みましょう。
パンフレットなどの文字の情報だけでは、伝わらないことがたくさんあります。
校舎を見学したり、在校生のナマの声を聞いたり、実際の授業に参加したりと、その学校のことをよく知ることが、後悔しない高校選びに繋がるのです。
もし文化祭や体育祭などの行事に参加できるようであれば、お友達同士で足を運んで、雰囲気を感じ取るのも良いですね。

将来何をやりたいのかまだ決まっていない、中学生のお子さんをお持ちの保護者の方も

多いと思われます。
「早く決めなさい」と急かしてしまうよりも「総合学科も考えてみたら?」と勧めてみてはいかがでしょうか?

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