国語が苦手な小学生を伸ばす!家庭でできるサポートと親の関わり方
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小学生の保護者からよく聞かれる悩みのひとつが、「うちの子、国語だけどうしても伸びないんです」という声です。
計算のように“正解がはっきりしている”教科と違い、国語は感覚的で評価基準も曖昧に見えるため、苦手意識をもつお子さんが多い科目です。
ですが、国語力は単に「国語の成績」を左右するだけではありません。
文章を理解し、考えをまとめ、他の教科を学ぶうえでも欠かせない“すべての学びの基礎”です。
この記事では、小学生で国語が苦手な子どもに対して、家庭でどのように支え、親はどのような関わりをすれば良いかを、実践的に解説していきます。
まず理解しておきたい「国語が苦手になる背景」

「国語が苦手」と一口に言っても、その原因はさまざまです。
大きく分けると、次のような要因が関係しています。
ひとつは語彙力の不足です。文章を読むとき、知らない言葉が多ければ多いほど、内容を理解するのが難しくなります。
言葉の意味を知らないまま読んでいると、ストーリーのつながりや登場人物の気持ちを捉えることができず、読むこと自体がつまらなくなってしまいます。
もうひとつは文章の構造をつかむ力の未発達です。たとえば、「誰が」「何を」「どうした」という文の基本構造や、「しかし」「だから」といった接続語の意味があいまいだと、読み手は文章の流れを見失います。
これは小学生の読解力に大きく影響します。
さらに近年では、スマホや動画による情報過多も影響しています。
短い映像や文字に慣れてしまうと、長文を読む集中力が続かず、「文章を読むこと自体が苦手」と感じやすくなります。
苦手意識を減らすために大切なのは「小さな成功体験」
国語嫌いを克服するうえで最も大切なのは、「わかった!」「読めた!」という成功体験を積むことです。
多くの子どもは、「国語は勉強しても点数が上がらない」「読むのが遅い」と感じることで、自信を失っていきます。
そこで保護者に意識してほしいのが、「結果よりも過程を見る」ことです。たとえば、文章問題で間違えたとしても、「この答えを選んだのはどうして?」と聞いてみましょう。
理由を話してくれたら、「なるほど、ここでそう思ったんだね」と受け止めたうえで、「この部分を読むと、実はこういう気持ちみたいだよ」と具体的に補足します。
子どもの“考える力”を尊重しながら、少しずつ文章の根拠を一緒に探す練習をすることで、正解の出し方を体で覚えていくのです。
家庭でできる国語力アップの習慣
語彙力を「会話の中で」自然に育てる
語彙は、辞書で暗記するよりも“生活の中で使う”ほうが身につきます。
たとえば、ニュースや本の話題を通して、「この言葉ってどういう意味だろうね?」と一緒に考えるのがおすすめです。
また、子どもが「悲しい」と言ったときに、「悲しいにもいろいろあるよ。
『悔しい』『寂しい』『切ない』って言葉もあるね」と言い換えてあげると、言葉の幅が広がります。
「言葉の置き換え」を遊び感覚で楽しむことも有効です。
「うれしい」をどんな言葉に変えられるか?「最高」「ワクワクする」「テンション上がる」など、親子で競うように言葉を出していくと、自然に語彙力が伸びていきます。
読書を「好きなこと」と結びつける
国語力を育てる上で読書は欠かせませんが、読むことが“義務”になると長続きしません。
読書嫌いな子どもには、まず“好きなジャンル”から始めるのがポイントです。
動物が好きなら動物の本、ゲームが好きならゲームのノベライズ版でも構いません。
また、「寝る前の10分」「お風呂のあと」など、日常の中で“読書タイム”を固定化すると習慣になりやすいです。
低学年のうちは親が音読して聞かせるのもおすすめです。
声で物語の世界に触れることで、想像力が豊かになり、文章を楽しむ感性が育ちます。
音読と要約をセットで行う
音読は、文章のリズムや語感を身につけるための基本的なトレーニングです。
声に出して読むことで、自然と読点や句読点の使い方、文の構成が理解できます。
ただ読むだけではなく、「この文の意味を自分の言葉で言ってみよう」と要約する習慣を加えると、理解が深まります。
「この段落で一番言いたいことは?」と問いかけるだけでも、子どもは“読む目的”を意識しながら読むようになります。
親の声かけで変わる! モチベーションを高めるアプローチ
子どもが国語に苦手意識をもっているとき、親の言葉は非常に大きな影響を与えます。
焦って「なんでできないの?」と言ってしまうと、子どもは「どうせ自分はできない」と思い込んでしまい、努力をやめてしまうこともあります。
大切なのは、「できなかった部分」ではなく「頑張った過程」を認めることです。
たとえば「最後まで読めたね」「自分の考えをちゃんと言えたね」と声をかけると、子どもは“自分にもできる”という感覚を取り戻します。
また、国語は“感性”の教科でもあります。
正解を押しつけるのではなく、「あなたはどう感じたの?」と問いかけると、思考を深める力が育ちます。
親が“先生”ではなく“聞き手”になることで、国語への苦手意識がやわらいでいきます。
苦手克服のための「継続の仕組み」
国語力は、一夜にして身につくものではありません。
短期間での点数アップを狙うよりも、日常に国語を取り入れる環境を整えることが重要です。
おすすめなのが、「毎日のニュース記事を親子で1本読む」習慣です。
新聞や子ども向けニュースサイトの記事を一緒に読んで、「何が起こった?」「どう感じた?」と話し合うだけで、読解・要約・意見表現のトレーニングになります。
さらに、週末に“作文タイム”を設けるのも効果的です。
「今日楽しかったことを3行で書こう」「読んだ本の好きな場面を紹介しよう」など、テーマを固定して短文を書く練習を続けると、表現力が確実に伸びます。
オンライン家庭教師で「読む力」と「考える力」を伸ばす
もし家庭でのサポートに限界を感じたら、オンライン家庭教師を活用するのも有効です。
一人ひとりの理解度に合わせて指導を行うため、「文章のどこを見ればいいのか」「どんな順序で考えればいいのか」を丁寧に学べます。
マンツーマン指導の最大の利点は、“その子の思考のクセ”を見抜いて修正できることです。
「文章を最後まで読まずに答えてしまう」「登場人物の気持ちを想像できない」など、国語のつまずきポイントは人によって違います。
講師が一緒に読み進めながら、考え方の手順を可視化してあげることで、子どもは「読めるようになった!」という実感を得られます。
この“できた実感”が継続の原動力となり、家庭学習の意欲にもつながっていきます。
親子で「ことばを楽しむ」時間を増やす
国語を苦手とする子どもにとって、何より大切なのは「言葉は楽しいものだ」と思える体験です。
日常の中で「ありがとう」「うれしい」「びっくりした」といった気持ちを言葉にして伝えることも、立派な国語の練習になります。
テレビやニュースで知らない言葉が出たときは、一緒に調べてみましょう。
「こういうときに使う言葉なんだね」「ニュースの人はこう言っていたね」と、親子で言葉の世界を探検するように関わると、自然に学ぶ意欲が湧いてきます。
国語は、ただの教科ではなく“生きる力”そのものです。
親子で一緒に言葉を楽しみ、感じたことを共有する時間を増やすことが、何よりのサポートになります。
まとめ
国語が苦手な小学生に必要なのは、才能やセンスではありません。
「読めた」「わかった」「伝えられた」という経験を積み重ねること、そして親がそれを温かく見守ることです。
焦らず、言葉の世界を一緒に楽しむ気持ちをもって接すれば、子どもの中で“読む力”と“考える力”は確実に育っていきます。