コラム

小学5・6年生の勉強が難しく感じるのはなぜ?つまずきの原因と中学につなげる学習の考え方

小学5・6年生の勉強が難しく感じるのはなぜ?つまずきの原因と中学につなげる学習の考え方 公開日:

「以前は宿題も短時間で終わっていたのに、最近は机に向かうだけで時間がかかるようになった」「テスト前にはそれなりに勉強しているはずなのに、点数が思うように伸びない」「子どもが勉強を嫌がるようになってきた気がする」

小学5・6年生のお子さまを持つ保護者の方から、このような声をいただくことは決して珍しくありません。

中には、「うちの子だけが遅れているのではないか」「このまま中学に進んで大丈夫なのだろうか」と夜も眠れないほど不安を感じている方もいらっしゃるでしょう。
しかし、こうした悩みは多くの家庭で共通して見られるものであり、特別なケースでは決してありません。

小学5・6年生は、学習内容・学び方・心身の成長が同時に大きく変化する時期です。
そのため、勉強に対して違和感や難しさを感じやすくなります。
ただし、その背景には単なる「勉強量の増加」だけではなく、思考の質の変化、心の成長、家庭学習の在り方、さらには子どもの自己認識の変化など、複数の要因が複雑に関係しています。

この原因を十分に理解しないまま対応してしまうと、勉強への苦手意識が固定化し、その影響が中学・高校へと長く続いてしまうこともあります。
本記事では、高学年の学習でつまずきが生まれる背景を丁寧に解説しながら、中学校進学後も安心して学べる力をつけるための考え方をお伝えします。

高学年になると学習は「作業」から「思考」へと変わる

高学年になると学習は「作業」から「思考」へと変わる

低学年・中学年の学習の特徴

低学年から中学年にかけての勉強は、手順を覚え、同じ形式の問題を繰り返し解くことで成果が出やすい特徴があります。
たとえば、足し算・引き算・掛け算・割り算といった四則演算は、計算手順を身につけてしまえば、同じパターンの問題に対して安定して正解できます。
漢字の書き取りも、繰り返しの練習で着実に身につけられます。
言い換えれば、「やり方を覚えれば解ける」場面が多く、努力が結果につながりやすい時期です。

この時期は、「がんばれば点が取れる」という成功体験が積み重なりやすく、勉強への自信も育まれやすいといえます。

高学年で起きる「質の変化」

しかし、高学年になるとこの前提が大きく変わります。

算数では、分数の計算・割合・比・速さ・面積と体積の応用といった単元が本格的に登場します。
これらの問題では、数字を機械的に計算するだけでなく、「この数字は何を意味しているのか」「条件同士がどのように関係しているのか」「どの公式をどの場面で使うべきか」を理解しながら考える必要があります。
計算そのものは合っていても、問題の意味を誤って読み取っていれば正解にはなりません。

たとえば「割合」の問題では、「もとにする量」「比べる量」「割合」の三者関係を頭の中で整理し、それを立式に落とし込む必要があります。
単純な暗記で乗り越えることができない、まさに「考える」ことを要求される内容です。

国語でも変化は顕著です。文章量が増えるだけでなく、読み取る内容の深さが根本から変わります。
登場人物の気持ちを表面的な言葉だけで判断するのではなく、行動の背景や場面の流れから心情を推測したり、説明文では筆者の主張を文章全体の構成から整理したりする力が求められます。
「なんとなく読める」「だいたい分かる」という感覚のままでは、内容を正しくつかめなくなることも増えてきます。

理科や社会においても、単純な暗記では対応できない場面が急速に増えていきます。
理科では「なぜ植物は光合成をするのか」「電気回路の中で電流はどのように変化するのか」など、現象の仕組みや因果関係を理解することが求められます。
社会では歴史の流れや地域の産業・気候の関係性など、出来事を点として暗記するのではなく、背景や影響を含めて理解することが重視されます。

このように、高学年の学習は「知識を蓄える」段階から「知識を使って考える」段階へと本質的に切り替わるのです。

理解のスピードに個人差が出始める

理解のスピードに個人差が出始める

「見えないものを考える力」が試される

小学高学年の学習では、目に見えない抽象的な概念を頭の中で整理し、イメージする力が必要になります。
割合や比、電流の流れ、歴史の因果関係などは、具体的な物だけで説明しきれない内容が多く、論理的に考える力や想像力が強く求められます。

低学年までは「りんごが3個あって2個食べたら1個残る」という具体的なイメージで理解できていたものが、高学年では「xという数量にyという割合をかけるとzになる」といった、抽象的な関係性として理解する必要が生まれます。

発達の個人差は「能力の差」ではない

こうした抽象的思考力の発達には、大きな個人差があります。同じ年齢でも、すでに抽象的な概念を直感的につかめる子もいれば、具体的なイメージと行き来しながら少しずつ理解していく子もいます。
これは「できる・できない」の問題ではなく、発達のペースの違いです。

理解が追いつかない子どもにとっては、「先生の説明がよく分からない」「何を言っているのかイメージできない」という状態が続きやすくなります。
その結果、授業中にぼーっとしてしまったり、ノートだけとって理解できないまま終わってしまったりすることも起きます。
こうした経験が積み重なると、自信を失い「自分は勉強が苦手」というレッテルを自分に貼ってしまいます。

ここで大切なのは、「分からない=能力が足りない」と決めつけないことです。
多くの場合、説明の仕方や学ぶ順序、考えるスピードがその子に合っていないだけで、理解の土台を丁寧に整えてあげれば、十分に伸びていく力を持っています。
「今は分からなくて当然の内容を、今学んでいる」という視点を、大人が持つことがとても重要です。

思春期の入り口に立つ心の変化が学習姿勢に影響する

「できない自分」を見せたくない

小学5・6年生は、思春期の入り口にあたる時期でもあります。
自我がはっきりしてきて、周囲からどう見られているかを強く意識するようになります。
「できない自分」を友達や先生、親に見せたくないという感情が芽生え、それが学習に大きく影響します。

分からないことがあっても手を挙げられない、質問できない、という状況が増えるのはこのためです。
授業でわからない問題が出ても黙って流してしまい、理解が曖昧なまま次の単元へと進んでしまうケースは少なくありません。
家庭では「大丈夫」と答えていても、内心では深刻な不安や焦りを抱えていることもあります。

感情のゆらぎが集中力に影響する

また、思春期は心の成長に多くのエネルギーが使われる時期です。
友人関係の変化、自分のアイデンティティへの疑問、将来への漠然とした不安など、子どもは大人が思う以上に多くのことを内面で抱えています。
その結果、集中力が安定しなかったり、些細なことで感情が激しく揺れたりすることが増えます。

こうした変化を理解せずに、「なぜ勉強しないの」「もっと集中しなさい」と学習面だけを強く求めてしまうと、子どもは追い詰められ、勉強そのものから距離を取ろうとしてしまいます。
学力の問題を解決しようとするより前に、まず子どもの心の状態を受け止めることが、長い目で見たときの近道になることが多いのです。

自己効力感の低下に注意する

高学年でつまずきが重なると、「どうせやっても無駄」「自分には無理」という思い込みが生まれることがあります。
これを心理学では「自己効力感の低下」と呼びます。
一度この状態になってしまうと、勉強に取り組むこと自体を脳が避けようとするため、やる気の問題ではなく、精神的な防衛反応として勉強から逃げてしまう状況が生まれます。

この段階にならないよう、日々の小さな成功体験を積み重ねることが極めて大切です。

家庭学習の「量」よりも「質」が問われるようになる

「やっているのに伸びない」の正体

高学年になると、学校の授業だけで内容を完全に理解することが難しくなるため、家庭学習の重要性はより高まります。
しかし、単に勉強時間を増やせばよいわけではありません。

「宿題はきちんとやっているのに成績が伸びない」という場合、学習の中身が本当の理解に結びついていない可能性があります。
間違えた問題を見直さずに終わらせてしまったり、答えを写して提出するだけになってしまったりすると、たとえ毎日1時間勉強していても知識は定着しません。

「やった」という事実と「理解した」という実態は、必ずしも一致しないのです。

「分かったつもり」を防ぐ学習とは

この時期に必要なのは、「分かったつもり」を防ぐ学習です。
具体的には次のような習慣が効果的です。

問題を解いたあと、なぜその答えになったのかを自分の言葉で説明できるかどうかを確かめる習慣が有効です。
「正解した」だけで終わらせず、「なぜ正解なのか」を言語化することで、理解の深さが変わります。
また、間違えた問題に印をつけておき、数日後に再挑戦する「間違い直しノート」の活用も、知識の定着に大きく貢献します。

さらに、一つの単元を学ぶ際に「前の単元のどの知識とつながっているか」を意識させることも、高学年以降の学習には不可欠です。
算数であれば、割合を理解するには分数・小数の計算が土台になっています。
そこが曖昧なまま割合に進んでも、理解は難しいままです。

自分がどこまで理解できていて、どこが曖昧なのかを確認しながら進める「メタ認知」の力を育てることが、高学年の学習の核心と言えます。

つまずきのサインを見逃さないために

「なんとなく大丈夫」の落とし穴

高学年の子どもは、自分から「分からない」と言い出しにくくなります。
そのため、保護者が「勉強は大丈夫そう」と思っていても、実際には深刻なつまずきが積み重なっているケースがあります。

テストの点数だけで判断するのではなく、普段の様子にも目を向けることが大切です。
たとえば、宿題に取りかかるまでに極端に時間がかかる、特定の科目のテストの前日だけひどく不機嫌になる、「勉強しても無駄」といった言葉が増えてくる、こうしたサインはつまずきのシグナルである可能性があります。

早めの対応が重要な理由

小学高学年の学習内容は、中学校の学習にそのまま直結しています。
たとえば、算数の「割合・比・速さ」は中学数学の「方程式・関数」への土台となり、小学国語の「読解力・論述力」は中学・高校の国語・英語・社会のすべてに影響します。

この時期の理解が曖昧なまま中学校に進んでしまうと、入学後すぐに大きなつまずきを経験することになります。
逆に言えば、高学年の段階で丁寧に学び直し、理解を固めておくことができれば、中学進学後の学習は格段にスムーズになります。

子どもの意欲を守るために大人ができること

言葉の力を意識する

高学年の学習を支えるうえで、大人の関わり方は非常に大きな意味を持ちます。
「どうしてできないの」「もっと頑張らないと中学でついていけないよ」といった言葉は、子どもの不安を煽り、意欲を奪ってしまうことがあります。
たとえ励ますつもりで言った言葉でも、子どもには「批判された」「認めてもらえない」と受け取られることがあります。

まず大切なのは、「勉強が難しくなっている」という現状を子どもと一緒に受け止めることです。
「高学年の勉強は誰でも大変になる」「今つまずくのは自然なことだよ」と伝えるだけでも、子どもは大きく安心します。
自分だけが遅れているのではないと分かることで、勉強に向き合うエネルギーが戻ってくることがあります。

過程と姿勢を認める

また、結果だけを見るのではなく、考えた過程や取り組む姿勢を言葉にして認めることが、学習意欲を支えます。
「今日は難しい問題に最後まで取り組んでいたね」「昨日より少し長く集中できていたよ」といった、小さな変化や前進を言葉にして伝えることで、「努力すれば前に進める」という感覚が子どもの中に育っていきます。

これは「褒めれば何でもいい」ということではありません。
具体的な行動や取り組みに対して、事実を言葉にして伝えることが、子どもの自己効力感を育む上で効果的なのです。

勉強の「環境」を整える

家庭での学習環境も、意外と大きな影響を持っています。
勉強する場所にスマートフォンやゲームが視界に入らないようにする、学習時間と休憩時間のメリハリをつける、保護者が同じ空間で読書や仕事をするなど、子どもが「勉強モード」に入りやすい環境を意識的に作ることが助けになります。

学び方を整えることで自信は取り戻せる

多くの子どもは、「分からない」状態が続くことで、次第に勉強そのものを避けるようになります。
しかしそれは意志の弱さではなく、傷つきたくないという自然な心の防衛反応です。

その原因を丁寧にたどり、理解の土台から整理していけば、学習は必ず立て直すことができます。
一人ひとりに合った説明、無理のないペース、つまずきに応じた丁寧な復習を重ねることで、「分かる」「できた」という経験が少しずつ増えていきます。
この成功体験の積み重ねこそが、次の学びへの原動力になり、勉強を「楽しい」と感じるきっかけにもなります。

学習塾や家庭教師などの外部サポートを検討する際も、単に「問題を解かせる」だけでなく、「その子の理解のどこがどう曖昧なのか」を丁寧に見つけてくれる存在かどうかを基準に選ぶことをおすすめします。

まとめ

小学5・6年生で学ぶ内容は、中学校の学習にそのままつながっています。
この時期に理解を曖昧にしたまま進んでしまうと、中学進学後にさらに大きな負担を感じることになりかねません。

一方で、高学年の段階で学び方を整え、自分の理解を深める経験ができれば、その後の学習は大きく安定します。
今のつまずきは失敗ではなく、成長の過程で必要な通過点です。

大切なのは、焦らないこと、他の子と比べないこと、そしてその子自身のペースに寄り添うことです。
学力は一夜にして変わるものではありませんが、正しい方向に向けてコツコツ積み重ねれば、必ず力はついていきます。

高学年のこの時期こそ、大人の関わり方が子どもの未来を大きく左右する、非常に大切なタイミングです。
目の前のテストの点数よりも、「学ぶことが好き」「考えることが楽しい」という感覚を守り育てることが、長い人生の中で最も価値ある教育だと言えるでしょう。

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教務代表 山田 祐大

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