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小学生が文章問題でつまずく理由と、家庭でできる教え方

小学生が文章問題でつまずく理由と、家庭でできる教え方 公開日:

「計算はできるのに、文章問題になるとまったく手が動かない」「何度読んでも、何をすればいいのか分からないと言う」そんな声を、小学生の子を持つ保護者からよく耳にします。

こうした様子を見ると、「うちの子は国語力が足りないのでは」「読書量を増やせば解決するのでは」と考えたくなりますが、原因は読書量だけとは限りません。
文章問題を解くには、文章を読み取る力に加えて、情報を整理する力、場面を思い浮かべる力、そしてそれを式に変換する力など、複数の力が組み合わさって初めて成立します。

計算そのものは問題なくできても、文章から数量の関係をつかむ段階でつまずいている子は、実は珍しくありません。

この記事では、小学生が文章問題を苦手にする代表的な原因を整理したうえで、「読んでも意味が分からない」という子に対して、家庭でどう向き合えばよいのかを具体的に紹介します。

文章問題は「計算問題」ではなく「読解+計算」の複合問題

文章問題は「計算問題」ではなく「読解+計算」の複合問題

算数の文章問題は、たし算・ひき算・かけ算・わり算といった計算力を測る問題だと思われがちです。
しかし実際には、計算に入る前の段階に多くのハードルが存在します。

たとえば次のような問題を考えてみましょう。

「りんごが8個あります。3個食べました。残りはいくつでしょう」

大人であれば、文章を読んだ瞬間に「8-3」と反射的に判断できます。
しかし子どもは、「最初に8個ある」「そこから3個減る」「残りの数を聞かれている」という一連の流れを理解して、初めてひき算という選択にたどり着きます。

学年が上がるほど文章は複雑になり、小学3年生以降では一度の計算だけでは解けない問題や、小数・分数・割合・速さ・単位量あたりの大きさなど、数量関係そのものの理解が求められる問題が増えていきます。

つまり文章問題が苦手な子の多くは、「計算ができない」のではなく、その手前にある「問題の状況を整理する部分」でつまずいている可能性が高いのです。

文章問題が苦手になる主な原因

文章問題が苦手になる主な原因

文章問題でつまずく理由は子どもによって異なります。
「苦手」という結果だけを見て同じ練習を繰り返しても、なかなか改善しないことがあります。
まずは、どの段階で理解が止まっているのかを見極めることが大切です。

問題文を最後まで丁寧に読めていない

問題を見た瞬間に目についた数字だけで計算を始めたり、「あわせて」という言葉だけを頼りにたし算を選んだりするケースは少なくありません。
特に算数が得意な子ほど「早く答えを出したい」という気持ちが先に立ち、文章をしっかり確認しないまま式を作ってしまうことがあります。

また、文字を読むこと自体に時間がかかる子の場合、問題文を読み終えた頃には前半の内容を忘れてしまっていることもあります。
この場合、「ちゃんと読みなさい」と注意するだけでは根本的な解決にはなりません。
文章を短いまとまりに分けて、一つずつ確認していく工夫が必要です。

数字だけを拾って計算しようとする

文章問題が苦手な子に多いのが、問題文の中から数字だけを探し出す読み方です。
「12個」と「5個」という数字が見えれば、とりあえず「12+5」や「12-5」を試してみる、といった具合です。

しかし文章問題で本当に大切なのは、数字そのものではなく「その数字が何を表しているか」です。
12個が最初にあった数なのか、もらった数なのか、それとも残った数なのかによって、必要な計算はまったく変わってきます。
数字を見つけたら、その横に「何の数か」を書き添える習慣をつけるだけでも、数量関係が整理しやすくなります。

「何を聞かれているか」を理解できていない

問題文自体は読めていても、最後の問い(設問)を正確につかめていないことがあります。
文章問題では、最終的に何を求めればよいのかを把握することが何より重要です。
複数の数字が登場する問題では、文中の情報をすべて使うとは限らず、必要な数字と不要な数字を見分けなければならない場合もあります。

そこで有効なのが、いきなり式を考えさせるのではなく、

「この問題は、最後に何を知りたいの?」

と尋ねてみることです。
子どもが「残っている人数を知りたい」「全部で何個あるかを聞かれている」と自分の言葉で説明できれば、ゴールは見えています。
逆にここで答えに詰まる場合は、計算方法を教える前に、まず問題文の意味を一緒に整理する必要があります。

場面を頭の中でイメージするのが苦手

大人は文章を読みながら無意識に場面を思い描いています。
「子どもが6人遊んでいて、あとから4人来ました」と読めば、6人のところに4人が加わる様子を自然に想像できます。

ところが、文章も読めていて言葉の意味も分かっているのに、数字同士のつながりがイメージできない子もいます。
この場合は、何度も音読させるより、絵や図にして「見える形」に変えるほうが効果的です。
丸を6個描いたあとに別の色で4個足してみるだけでも、「増えたからたし算なんだ」と実感を持って理解できることがあります。
低学年のうちは、おはじきやお菓子など身近な物を実際に動かしながら考えるのもよい方法です。

「この言葉ならこの計算」という丸暗記には注意

文章問題の指導では、「『ぜんぶで』ならたし算」「『のこりは』ならひき算」といった覚え方が使われることがあります。
文章問題を学び始めたばかりの段階ではヒントになりますが、キーワードだけで判断する習慣が身についてしまうと、学年が上がったときにかえって間違いが増えてしまいます。

「全部で」という言葉があっても、単純なたし算になるとは限らない問題は数多くあります。
本当に大切なのは特定の言葉を探すことではなく、「最初にどれだけあって、そこからどう変化したのか」「何と何を比べているのか」という数量関係そのものを理解することです。

子どもが間違えたときも、「これはひき算だよ」と答えだけを教えるのではなく、

  • 最初はいくつだった?
  • そのあと増えた? 減った?
  • 最後に何を求めたい?

と順を追って一緒に確認してみましょう。
自分で式を組み立てるまでの考え方を身につけることが、その先の応用問題にもつながっていきます。

読んでも分からない子への具体的なアプローチ

文章を短く区切って読む

長い問題文を見ただけで「分からない」と感じてしまう子もいます。
学年が上がるほど条件の数が増え、一度にすべてを理解しようとすると情報を整理しきれなくなります。

そのようなときは、一文ずつ区切って確認しましょう。たとえば、

「色紙を24枚持っています。8枚を友達にあげました。
残った色紙を4人で同じ数ずつ分けます。一人分は何枚になりますか」

という問題であれば、いきなり式を作る必要はありません。
「最初は24枚」「8枚あげた」「残りを4人で分ける」と順番に整理していくと、「まず残りを求める」「次に4人で分ける」という二段階の構造が自然と見えてきます。
複雑な問題ほど、一気に解こうとせず小さく分解することが大切です。

印をつけながら読む習慣をつける

文章をただ目で追うより、重要な情報に印をつけながら読むほうが理解しやすい子もいます。
求めるものには波線を、必要な数字には丸をつける、といった方法です。

ただし数字を囲むだけでは数量関係までは把握できません。
「24個のあめ」「6人に配る」のように、数字と単位をセットで捉え、さらに「誰の数か」「何の数か」まで確認すると式を立てやすくなります。
最初は時間がかかっても構いません。文章問題では、速く答えを出すことより、正確に状況を把握する力を育てるほうが優先です。

子ども自身に問題を説明してもらう

理解度を確かめる方法として効果的なのが、「この問題ってどんな話?」と子どもに聞いてみることです。
問題文をそのまま読み上げてもらうのではなく、「最初に30人いて、あとから5人帰ったから、残っている人数を出す問題」というように、自分の言葉に言い換えられるかを確認します。

自分の言葉で説明できれば、内容をある程度理解できていると判断できます。
逆に、読めているのに説明できない場合は、意味を十分につかめていない可能性があります。
この方法は、保護者が一方的に解き方を説明するより、子ども自身が「どこまで分かっていて、どこから分からないのか」を整理する練習になります。

図を書くことを面倒がらせない

高学年になると線分図や表、関係図を使う問題が増えます。しかし文章問題が苦手な子ほど「図を書くのは面倒」と感じ、頭の中だけで処理しようとする傾向があります。

図はきれいに書く必要はありません。大切なのは、文章として書かれた情報を「目で見て分かる状態」に変換することです。割合の問題なら「全体」と「一部分」の関係を図にする、速さの問題なら「距離・速さ・時間」を整理するなど、簡単な図にするだけで式を考えやすくなります。低学年のうちから丸や線を使う習慣をつけておくと、高学年の複雑な問題にも対応しやすくなります。

間違えたときは「答え」より「考え方」を確認する

文章問題を間違えたとき、正しい式と答えをすぐに示して終わりにしてしまうと、同じタイプの問題で再び間違える可能性があります。
大切なのは「なぜその式にしたのか」を確認することです。

たとえば本来ひき算をする問題でたし算をしていた場合、「どうしてたし算にしたの?」と聞いてみると、「数字が二つあったから」「『全部』という言葉があったから」「なんとなく」など、子どもなりの考え方が見えてきます。

原因が分かれば、次の指導も変わります。
読み間違えているなら読み方を練習し、場面がイメージできていないなら図で示し、計算の意味自体が分かっていないなら具体物を使って確認するというように、原因に応じた対応が可能になります。
間違いを「不正解」で終わらせず、どこで考え方がずれたのかを探ることが、克服への近道です。

大量に解かせるより、一問を丁寧に

苦手を克服させようとして、文章問題を大量に解かせようとすることがあります。
練習量はもちろん必要ですが、理解が伴わないまま問題数だけを増やしても効果は出にくいものです。
「なんとなく数字を足す」「分からなければ適当に式を書く」というやり方を繰り返すと、誤った解き方が定着してしまう恐れもあります。

最初は1日数問で十分です。一問について、

  • 何を聞かれているのか
  • どんな場面なのか
  • どの数字を使うのか
  • なぜその計算になるのか

を丁寧に確認するほうが効果的です。
自分で考えて正解できる問題が少しずつ増えてくると、文章問題への苦手意識も自然と薄れていきます。

国語力は日常生活の中でも育てられる

文章問題は算数の一部ですが、文章を理解する以上、国語の力とも無関係ではありません。
とはいえ、「文章問題が苦手だから読書量を増やせばよい」と単純に考える必要はありません。

普段の生活の中でも、言葉を理解する練習はできます。
学校からのお知らせを一緒に読んで「何を持っていくの?」「いつまでなの?」と確認したり、出かける前に「3時までに着くには何時に家を出ればいい?」と一緒に考えたりすることも、情報を整理する力を養う練習になります。
算数のために特別な勉強を増やすより、日常の中で「文章から必要な情報を取り出す経験」を積み重ねるほうが自然です。

保護者は答えを教えすぎないことも大切

子どもが問題の前で長く止まっていると、つい「これは引き算でしょ」「ここに書いてあるじゃない」と、答えに近いヒントを出したくなるものです。
しかし毎回すぐに計算方法を教えてしまうと、「困ったら誰かが式を教えてくれる」という受け身の学習になりかねません。

代わりに、答えではなく考えるための問いかけをしてみましょう。

  • 何が分かっている?
  • 何を聞かれている?
  • 絵にするとどうなる?
  • 最初より増えている? 減っている?

こうした問いかけは、子ども自身が答えにたどり着く手助けになります。
すぐに正解できることよりも、自分で考える方法を身につけることを意識してみてください。

まとめ

小学生が文章問題を苦手にする背景には、単純な計算力だけでは説明できない、さまざまな原因があります。
問題文を正確に読めているか、何を求める問題か理解しているか、数字が表す意味をつかめているか、場面をイメージできているか、解答にたどり着くまでの過程を一つずつ確認することが、原因を見極める第一歩です。

文章問題が苦手な子に必要なのは、同じ問題を大量に解かせることではなく、「どう考えればよいのか」という手順を身につけることです。
文章を短く区切る、図を書く、自分の言葉で問題を説明してみる、その子に合った方法を見つけて取り入れてみましょう。

家庭で教えていると、どこまでヒントを出せばよいのか迷ったり、親子だからこそ感情的になってしまったりすることもあります。
そうした場合は、オンライン家庭教師のような第三者の力を借りて、「どこでつまずいているのか」を一緒に確認していく方法も選択肢の一つです。
文章問題でつまずく原因は子どもによって異なるため、その子の理解度に合わせて教え方を変えていくことが何より重要です。

「文章問題を見ると嫌になる」という状態になる前に、小さな問題から自分で読み取り、自分で式を作り、正解できる経験を一つずつ積み重ねていきましょう。
文章問題に必要なのは特別な才能ではなく、文章を整理し、数量の関係をつかむ手順を身につけることです。
それができれば、「読んでも分からない」状態から「何を考えればいいか分かる」状態へと、少しずつ変わっていくはずです。

オンライン家庭教師ドリーム
教務代表 山田 祐大

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教務代表 山田 祐大

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