コラム

中学生が勉強する気になれないのはなぜ?やる気が出ない原因と保護者ができるサポート

中学生が勉強する気になれないのはなぜ?やる気が出ない原因と保護者ができるサポート 公開日:

「前はもう少し自分から机に向かっていたのに、最近はまったく勉強しようとしない」「テストが近づいているのに、のんびりスマホを見ている」「勉強のことを聞くと、露骨に嫌な顔をされる」。

中学生のお子さんを育てている保護者の中には、こうした変化に戸惑いや不安を感じている方が少なくないはずです。

小学生のうちは、多少渋々であっても「宿題をしなさい」と言えば机に向かっていた子が、中学生になったとたん、勉強そのものへの興味や意欲を失ってしまうことがあります。
とはいえ、勉強しなくなったからといって、それを単に「怠けている」「本人のやる気が足りない」「意識が低い」という一言で片づけてしまうのは早計です。

中学生という時期は、授業の内容が一気に難しくなるだけでなく、部活動での疲労、友人関係の悩み、学校生活そのものへの適応、将来の進路に対する漠然とした不安など、さまざまな要素が同時に押し寄せる時期でもあります。
そのため、「勉強へのやる気がなくなった」という表面的な現象の裏には、本人なりに抱えている事情や理由が隠れていることが多いのです。

ここで大切なのは、保護者が力ずくで机に向かわせようとすることではありません。
むしろ、「どうしてこの子は勉強する気になれないのだろうか」と、背景にある原因に目を向けて考えてみることです。

この記事では、中学生が勉強へのやる気を失ってしまう主な原因を整理しながら、家庭でできる具体的なサポートの方法について、できるだけ詳しく解説していきます。

中学生は勉強へのやる気が低下しやすい時期であることを理解する

中学生は勉強へのやる気が低下しやすい時期であることを理解する

中学校に進学すると、それまでの学習環境は大きく様変わりします。

まず、英語や数学を中心に学習内容そのものが格段に難しくなり、授業の進むスピードも小学校時代とは比べものにならないほど速くなります。
加えて、定期テストという明確な評価の場が始まり、点数や順位、通知表の評定といった形で、学習の成果や結果がこれまで以上にはっきりと数値化・可視化されるようになります。

さらに、部活動に所属している中学生であれば、放課後や休日にも練習や試合が入り、帰宅した時点ですでに心身ともに疲れ切っているというケースも珍しくありません。

そこに、思春期特有の心と体の変化も重なってきます。

「勉強しなさい」と声をかけられること自体に反発したくなったり、保護者と過ごす時間よりも友人との時間を優先したいと感じたりするのも、まさにこの時期によく見られる自然な変化です。

つまり、中学生の勉強に対するやる気の問題を考えるときには、「本人の性格」や「本人の努力不足」だけに原因を求めるのではなく、学習面・生活面・心理面という複数の視点を組み合わせて捉える必要があるのです。

授業についていけず「わからない」が積み重なっている

授業についていけず「わからない」が積み重なっている

中学生が勉強への意欲を失ってしまう大きな原因のひとつが、授業の内容そのものを理解できなくなっていることです。

中学校の学習は、それまでに習得した内容を土台として、その上に新しい単元を積み重ねていく構造になっています。

たとえば数学であれば、正負の数の計算が十分に身についていないと、その後に学ぶ文字式や一次方程式でつまずきやすくなります。
英語についても、be動詞と一般動詞の使い分けがあいまいなままだと、その先に控えている助動詞や現在完了形などの文法事項を理解するのが一気に難しくなってしまいます。

一度授業のペースについていけなくなると、

  • 授業を聞いていても内容が頭に入ってこない
  • 問題集を解いても、なぜか同じような箇所で間違えてしまう
  • 勉強しているつもりなのに、できるようにならない実感がある

といった状態に陥りやすくなります。

こうした状態が続くと、本人の中で「どうせ勉強してもできるようにはならない」というあきらめに似た気持ちが強くなり、机に向かうこと自体を無意識に避けるようになってしまう場合があります。

この段階で「もっと勉強時間を増やしなさい」と量だけを求めても、根本的な解決にはつながりにくいという点には注意が必要です。

まずは、お子さんがどの単元、どの学年の内容から理解があいまいになっているのかを丁寧に確認し、必要であれば前の学年や、さらに前の単元にまでさかのぼって学び直すことが重要になります。

無理に今の学年の内容だけにこだわらず、本人が「自分の力で解けた」と実感できるレベルの問題から少しずつ取り組み、成功体験を積み重ねていくことで、勉強そのものへの抵抗感を少しずつ和らげていくことができます。

努力しているのに結果が出ず、自信を失ってしまっている

本人なりに勉強に取り組んでいるにもかかわらず、思うようにテストの点数が伸びないことも、やる気を大きく損なう原因のひとつになります。

本人としては真剣に勉強したつもりなのに、

  • 前回のテストと点数がほとんど変わらなかった
  • むしろ以前より点数が下がってしまった
  • 自分より勉強していないはずの友達に負けてしまった

といったことが立て続けに起こると、「頑張っても意味がないのではないか」という無力感につながり、努力すること自体への意欲を失ってしまいます。

ただし、こうしたケースでは、勉強時間そのものよりも、勉強の「やり方」に原因が潜んでいることが少なくありません。

教科書やノートをただ繰り返し読むだけであったり、ノートをきれいに整理することにばかり時間をかけていたり、問題集を解いても答え合わせをして丸をつけるだけで終わっていたりすると、たとえ長時間机に向かっていても、それがそのままテストの点数には結びつきにくいのです。

テストで実際に得点するためには、「覚えたつもり」の状態から一歩進んで、「自分の力だけで問題を解ける状態」に仕上げていくことが欠かせません。

具体的には、間違えた問題だけを後日もう一度解き直す、苦手だと感じている問題を繰り返し反復する、何も見ずに自分の言葉で説明できるか試してみる、といった「アウトプット」を意識した学習を増やすことで、同じ勉強時間でも成果の出方は大きく変わってきます。

保護者としても、「もっと長い時間勉強しなさい」と量だけを求めるのではなく、「どんなふうに勉強しているのか」というやり方そのものに目を向け、一緒に見直してみる姿勢が大切です。

何のために勉強しているのか、目標が見えていない

中学生の中には、「そもそもなぜ勉強しなければならないのか、実感としてよくわからない」と感じている子も少なくありません。

高校受験という大きな出来事があることは知識として理解していても、中学1年生や2年生の段階では、まだ受験を自分ごととして現実的にイメージできないことも多いものです。

また、中学3年生になっても志望校がまだ定まっていない場合には、どの程度の勉強量が必要なのか、どの教科を重点的に取り組むべきなのかがつかめず、結果として何から手をつければよいのかわからないまま時間だけが過ぎてしまうこともあります。

目標がはっきりしないまま「将来のために勉強しなさい」と言われても、中学生にとってはなかなか実感の持てる言葉ではありません。

そこで有効なのが、「将来のため」といった大きな目標だけでなく、もっと身近で具体的な目標を一緒に設定してみるという方法です。

たとえば、

  • 次回の数学のテストで、前回より10点アップさせる
  • 英単語を毎日10個ずつ覚える
  • 学校のワークを、テストの1週間前までに終わらせておく

といった、達成できるかどうかが本人にも実感できる大きさの目標を決めることで、「今、何をすればよいのか」が具体的になり、勉強に取りかかるハードルがぐっと下がります。

部活動や学校生活で、すでに心身ともに疲れきっている

保護者が思っている以上に、中学生は毎日の学校生活の中で疲労を蓄積していることがあります。

朝から夕方まで6時間近くの授業を受け、そのあとに部活動の練習をこなしてから帰宅すると、それだけで夜になってしまうというケースも珍しくありません。

帰宅後に夕食やお風呂を済ませ、そこからようやく一息ついたところで「2時間は勉強しなさい」と言われても、集中力も体力もほとんど残っていないことが多いのです。

このような状況で、勉強時間の確保だけを最優先にしてしまうと、結果として睡眠時間が削られてしまう可能性があります。

睡眠不足は翌日の授業での集中力低下を招き、それがさらに授業についていけなくなる原因となり、悪循環に陥ってしまうことも少なくありません。

ここで大切なのは、勉強時間だけを切り取って考えるのではなく、食事・入浴・睡眠・部活動なども含めた生活全体のバランスに目を向けることです。

平日にまとまった勉強時間を確保するのが難しいのであれば、たとえ30分程度であっても集中して取り組める時間をつくり、その分、比較的余裕のある休日にじっくりと復習の時間を増やすといった工夫も考えられます。

無理のない、続けられる学習スケジュールを組み立てることこそが、結果的には学習の継続につながっていきます。

スマートフォンやゲームのほうが、どうしても魅力的に感じられる

「さあ勉強しよう」と思っていたはずなのに、気づけば1時間近くスマートフォンを眺めていた、という経験は、中学生に限らず大人にも心当たりがあるのではないでしょうか。

動画配信サービスやSNS、オンラインゲームなどは、短時間であっても手軽に楽しさや刺激を得られるように設計されています。

一方で勉強は、取り組んだ成果や達成感が実感できるまでにどうしても時間がかかるものです。

そのため、目の前にスマートフォンが置かれた状態で「勉強に集中しなさい」と言われても、本人の意志の力だけでその誘惑に勝ち続けるのは、決して簡単なことではありません。

勉強する時間帯はスマートフォンを別の部屋に置いておく、通知をオフにしておく、ゲームを始める前に必ず宿題を終わらせておく、といったように、誘惑そのものを遠ざけて集中しやすい環境をあらかじめ整えておくことも効果的です。

ただし、保護者が一方的にスマートフォンを取り上げたり、頭ごなしに禁止したりしてしまうと、かえって親子関係がこじれてしまうおそれもあります。

家庭内でルールを決める際には、「使用を禁止すること」自体を目的にするのではなく、本人としっかり話し合いながら、無理なく守れる現実的なルールを一緒に考えていく姿勢が大切です。

「勉強しなさい」と繰り返し言われること自体がストレスになっている

保護者としては、お子さんの将来を思ってこそ「勉強しなさい」と声をかけているつもりでも、本人にとってはそれが大きなプレッシャーとして重くのしかかっていることがあります。

とくに思春期の中学生は、親から細かく指示されたり、行動を管理されたりすることを嫌う傾向が強くなります。

ちょうど今から勉強を始めようと思っていた矢先に、

「いつになったら勉強するの?」

と声をかけられただけで、それまであったやる気が一気にしぼんでしまうということも起こり得ます。

さらに、

  • 「このままだと、行ける高校がなくなるよ」
  • 「○○さんはもっと勉強しているみたいだよ」
  • 「どうしてこんな簡単な問題もできないの?」

といった言葉は、本人の自尊心や自信を大きく傷つけてしまう可能性があります。

もちろん、必要な声かけまですべてやめる必要はありません。

ただ、勉強していないことを責めたり、他人と比較したりする言葉をかけるよりも、「最近、何か困っていることはない?」「数学、少し難しくなってきた?」というように、本人が実際に抱えている悩みや困りごとに寄り添う形での声かけのほうが、結果として状況の改善につながりやすい傾向があります。

やる気が出るのを、じっと待つ必要はない

勉強について「やる気が出てから取り組もう」と考えてしまいがちですが、実際にはむしろ逆の順序で物事が進むことも多いのです。

最初から高いモチベーションを持って自然と机に向かえる中学生ばかりではありません。

  • とりあえず10分だけやってみる
  • 英単語をまず5個だけ覚えてみる
  • 数学の問題を3問だけ解いてみる

というように、「始めるまでのハードル」をできるだけ低く設定してみることが効果的です。

実際に少しでも手を動かして勉強を始めてみると、そのまま気づけば20分、30分と続けられていた、ということは珍しくありません。

つまり、「やる気が出たから勉強を始める」のではなく、「勉強をとりあえず始めてみた結果として、あとからやる気がついてくる」というパターンも十分にあり得るということです。

最初から「毎日2時間は必ず勉強する」といった高い目標を掲げるよりも、「夕食のあとに15分だけ机に向かう」というような、無理なく続けやすい小さな習慣づくりを意識するほうが、長い目で見て効果的です。

「できた」という成功体験の積み重ねが、勉強への気持ちを変えていく

中学生の勉強へのやる気を高めていくうえで、とりわけ大切になるのが「自分にもできた」という実感を得られる経験です。

勉強に対して苦手意識や嫌悪感を持ってしまっている中学生の中には、これまでに「わからなかった」「間違えてしまった」「テストの点数が悪かった」といった経験を、何度も積み重ねてきている子が少なくありません。

そうした状態のまま、いきなり難しい問題ばかりに挑戦させてしまうと、かえって自信をさらに失わせてしまう危険があります。

まずは本人が無理なく解けるレベルの問題から取り組みはじめ、そこから少しずつ段階を踏んで難易度を上げていくことが重要です。

以前はまったく歯が立たなかった問題が解けるようになった、学校の小テストで少し点数が上がった、覚えられなかった英単語を覚えられるようになった、たとえそれがどんなに小さな成功であっても構いません。

「自分は勉強すれば、少しずつでもできるようになるんだ」という感覚を本人が持てるようになると、それが次の学習への意欲へと自然につながっていきます。

保護者は「結果」だけでなく、日々の「取り組み方」にも目を向けたい

テストの点数や通知表の評定は、誰の目にもわかりやすい「結果」であるため、保護者としてもどうしてもそこに意識が向きやすくなります。

しかし、点数という結果だけで評価され続けると、子どもは「良い点数を取らなければ、自分は認めてもらえないのだ」と感じてしまうことがあります。

以前より勉強を始める時間が早くなった、毎日短い時間でも継続して机に向かえるようになった、間違えた問題を面倒くさがらずに解き直すようになった。
こうした、点数には直接表れにくい学習の「過程」の部分にも、ぜひ目を向けてみてください。

自分が積み重ねてきた努力そのものを具体的に認めてもらえると、子どもは自分の行動や取り組みに対して意味や価値を感じやすくなります。

ただし、中学生になると、あからさまに褒められることを気恥ずかしく感じ、素直に受け取れない子もいます。

大げさな言葉で褒めちぎる必要はなく、「最近、ちゃんと続けられているね」「前より自分から進んで勉強するようになったね」というように、さりげなく自然な形で伝えるだけでも、本人にはしっかりと届くものです。

家庭だけで解決が難しいときは、学習環境そのものを見直すことも選択肢に

一見すると本人にやる気がないように見える場合でも、実際には「そもそも何を勉強すればいいのかわからない」「自分ではどこでつまずいているのかを把握できていない」というケースが少なくありません。

このような状態に陥っていると、本人ひとりの力だけで勉強方法を根本的に改善していくのは、決して簡単なことではありません。

学校の担任の先生に相談してみたり、学習塾や家庭教師といった外部のサポートを利用したりして、家庭の外にいる第三者の視点から、現在の学習状況を客観的に見てもらうという方法も検討する価値があります。

とくに、これまでの学習内容の理解不足が原因でやる気を失っている場合には、今の学年の範囲だけにこだわらず、必要であればさかのぼって、理解できていないところまで戻って学び直すことが重要になります。

「何がわかっていないのか」という原因そのものが明確になれば、「何を勉強すればよいのかわからない」という漠然とした不安も、自然と軽くなっていきます。

本人に合った学習方法が見つかり、少しずつでも問題が解けるようになっていけば、それに比例して勉強に対する本人の気持ちも、少しずつ前向きに変化していくはずです。

まとめ

中学生が勉強へのやる気を失ってしまう背景には、実にさまざまな要因が絡み合っています。

授業内容そのものが難しくなり理解が追いつかなくなっている場合もあれば、努力しているのに結果が伴わず自信を失ってしまっている場合もあります。
また、部活動による疲労の蓄積、スマートフォンやゲームとの付き合い方、保護者からの何気ない一言によるプレッシャーなど、複数の要因が同時に影響し合っていることも珍しくありません。

だからこそ、勉強しない我が子の姿を見て、すぐに「本人のやる気の問題だ」「意識が低いからだ」と決めつけてしまうのではなく、まずは「何がこの子にとって負担になっているのか」を丁寧に考えてみることが何より大切です。

やる気を無理やり引き出そうとするのではなく、本人が理解できるレベルの問題から取り組み直す、勉強すべき内容や目標をできるだけ具体的にする、短時間からでも学習を習慣化していく、こうした小さな工夫を積み重ねることで、勉強に向き合いやすい状態を少しずつつくっていくことができます。

中学生の学習において、何もかも一度に大きく変えようとする必要はありません。

「今日は15分だけでも勉強できた」「以前は解けなかった問題が、今日はできた」そうした小さな成功体験をこつこつと積み重ねていくことこそが、やがて本人の学習に対する自信へとつながっていきます。

お子さんの勉強へのやる気が落ちているように感じられるときこそ、テストの点数という結果だけを見て一喜一憂するのではなく、「今、どこでつまずき、何に困っているのか」を丁寧に確認しながら、その子自身に合ったペースと方法で、学習を少しずつ立て直していきましょう。

オンライン家庭教師ドリーム
教務代表 山田 祐大

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