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中学英語の長文読解でつまずく理由とは?苦手な子を伸ばす具体的な対策

中学英語の長文読解でつまずく理由とは?苦手な子を伸ばす具体的な対策 公開日:

「英単語も文法も一生懸命覚えているのに、英語の長文になると急に分からなくなる」

中学生の英語学習で、このような悩みを抱えているご家庭は決して少なくありません。
定期テストや入試で長文問題が増えるにつれ、「最初の数行は何となく読めるけれど、途中から内容が頭に入らない」「読み終わっても、何について書かれていたのか説明できない」と感じる生徒は年々増えています。

こうした状態が続くと、「自分は英語が苦手」「どれだけ勉強しても無理かもしれない」と思い込んでしまい、英語そのものへの意欲を失ってしまうこともあります。
しかし実際には、長文読解が苦手になる原因の多くは、才能や暗記量の不足ではありません。
多くの場合、英語の文章をどう読めばよいのかという”読み方”を正しく身につける機会がなかっただけなのです。

この記事では、オンライン家庭教師として多くの中学生を指導してきた経験をもとに、中学英語の長文読解が苦手な子に共通する特徴と、その克服につながる考え方・学習のポイントを詳しく解説します。
英語が「分からない科目」から「理解できる科目」へと変わるヒントを、ぜひ見つけてください。

中学英語の長文読解が苦手になる理由とは

中学英語の長文読解が苦手になる理由とは

なぜ長文になると急に難しくなるのか

中学生の英語学習において、最も多くの生徒が苦手意識を持つ分野のひとつが長文読解です。
小学校や中学1年生の段階では、短い英文や会話文が中心で、単語や文法を覚えていれば何となく内容が分かる場面も多くありました。

しかし学年が上がるにつれて文章量は一気に増え、扱うテーマも「環境問題」「異文化交流」「科学技術」など抽象的なものが多くなっていきます。
中学2年生後半から3年生にかけては、1つの長文が300〜500語を超えることも珍しくなく、設問の形式も記述式・英問英答など多様化します。

その結果、「前は英語が嫌いではなかったのに、長文が出てきてから急に分からなくなった」「テストになると長文だけ点が取れない」といった声が多く聞かれるようになります。
この段階でつまずいてしまうと、英語そのものを避けるようになり、成績が伸び悩む悪循環に陥ってしまうことも少なくありません。

ただし、実際の指導現場で多くの生徒を見ていると、長文読解が苦手になる原因は決して才能や理解力の問題ではありません。
多くの場合、英語の文章をどう読めばよいのかが分からないまま学習が進んでしまっていることが根本的な原因です。
以下では、特に多く見られるつまずきのパターンを5つに分けて詳しく説明します。

① 単語や文法を覚えていても文章が理解できない

長文が読めない生徒の多くは、英単語の意味や文法のルール自体はある程度覚えています。
単語テストでは点が取れる、文法問題も選択肢形式なら解けるというケースは珍しくありません。
それにもかかわらず文章になると理解できないのは、それらの知識が「文章を読む力」として結びついていないからです。

英語は語順が非常に重要な言語です。主語があり、動詞があり、その後に目的語や補語、修飾語句が積み重なっていく構造になっています。
たとえば、”The book that my teacher recommended last week was very interesting.” という文では、主語が “The book”、動詞が “was”、その間に関係代名詞節が挿入されています。
こうした構造を瞬時に把握できないと、単語の意味が分かっていても文全体の意味がつかめません。

単語や文法をバラバラに覚えていると、文全体の流れを追うことができず、一語ずつ確認する読み方になってしまいます。
その結果、文を読み終える頃には前半の内容を忘れてしまい、何について書かれていたのか分からなくなってしまうのです。

特に真面目で努力家な生徒ほど、「覚えた知識を正しく使おう」と意識するあまり、文章全体を俯瞰する余裕を失ってしまう傾向があります。
知識を「使う」練習より「覚える」練習に時間をかけすぎているケースも多く見られます。

② 日本語に訳そうとしすぎて読解が止まってしまう

長文読解が苦手な生徒に共通して見られるのが、「すべて正確な日本語に訳さなければ理解したことにならない」という考え方です。
学校の授業や参考書では、英文の下や横に日本語訳がセットで提示されることが多いため、この意識が強くなるのは自然なこととも言えます。

しかし、長文読解では完璧な日本語訳を作ることが目的ではありません。
多少分からない単語や表現があっても、前後の流れから内容を推測しながら読み進める力が求められます。
母語話者が英文を読むときと同様に、意味のかたまりごとに内容をつかんでいく読み方が理想です。

それにもかかわらず、一語一句にこだわりすぎてしまうと、少し分からない部分が出てきただけで思考が止まり、文章全体を理解することができなくなってしまいます。
例えば知らない単語が1つあるだけで立ち止まり、前後の文脈から意味を推測することなく辞書を探し始めてしまうこうした習慣がついてしまっている生徒は少なくありません。

結果として、「途中までは読めたのに、後半が頭に入らない」「読み終わったはずなのに、何についての話だったのか説明できない」といった状態に陥りやすくなります。
テスト本番ではさらに焦りが加わり、思考が余計に止まりやすくなります。

③ 読むスピードが遅く、内容をつなげられない

長文読解が苦手な原因として、意外と見落とされがちなのが読むスピードの問題です。
一文を読むのに時間がかかりすぎると、前に読んだ内容を忘れてしまい、文章全体のつながりを把握することが難しくなります。

人間の短期記憶には限りがあります。
1つの段落を読み終えるまでに数分もかかってしまうと、段落の冒頭に何が書いてあったか記憶から薄れ、段落内の論理的なつながりが見えなくなってしまいます。
これが複数の段落にわたると、文章全体のテーマや主張をつかむことがますます困難になります。

特に定期テストや高校入試では、限られた時間の中で複数の長文を読まなければなりません。
読むスピードが遅いままだと、内容理解以前に「読み切れない」「焦ってしまう」といった問題が生じ、実力を十分に発揮できなくなってしまいます。
高校入試では英語の試験時間に対して読むべき英文量が年々増加しており、読解スピードは得点に直結する要素になっています。

読むスピードが上がらない背景には、日本語に訳しながら読んでいることや、英語を前から順に理解する習慣が身についていないことがあります。
また、音読練習が不足していることも一因です。
声に出して英文を読む習慣がないと、黙読でも文字を1つずつ追う読み方になりがちで、スピードが上がりにくくなります。

④ 問題を解くことばかりに意識が向いてしまう

長文問題になると、「正解を選ばなければならない」「点数を取らなければならない」という意識が先に立ち、文章そのものを読む余裕がなくなってしまう生徒も少なくありません。
設問と本文を何度も行き来し、その結果どちらも中途半端になってしまうケースも多く見られます。

「先に設問を読んでからテキストを読む」という方法を試みる生徒もいますが、これも設問の内容を頭に残しながら本文を読むという認知的負荷がかかり、かえって読解の妨げになることがあります。

本来、長文読解は文章の内容を理解することが目的です。
内容が正確に分かっていれば、設問は自然と解けるようになります。
しかし「設問を解くこと」を目的にしてしまうと、本文全体を把握しないまま該当箇所を探し回る「拾い読み」に陥りがちです。
これでは読解力そのものがなかなか伸びず、同じ失敗を繰り返してしまいます。

⑤ 背景知識・テーマへの理解不足

長文読解の壁のひとつとして、テーマへの背景知識不足も見逃せません。
英語の文章が読めるかどうかは、英語力だけでなく、その話題についての知識量にも左右されます。

例えば「地球温暖化」「SDGs」「AIの進化」といったテーマは、日本語であれば何となく分かる内容であっても、英語で読むと急に難しく感じることがあります。
これは英語力の問題というより、テーマに対する理解が浅いために、英文の文脈が読み取りにくくなっているケースが多いのです。

普段から日本語のニュースや書籍を通じて多様なテーマに触れておくことが、英語の長文読解力にも間接的につながっていきます。

中学英語の長文読解を克服するために必要な考え方と学習法

中学英語の長文読解が苦手になる理由とは

① 英語を前から意味を取る「前読み」の習慣をつける

英語の文章は、基本的に前から順に理解していくことで意味が自然につながるように作られています。
返り読みをせず、主語と動詞を意識しながら読み進めることで、文章全体の流れが見えやすくなります。

具体的には、まず「誰が(主語)」「どうした(動詞)」を素早く見つける練習から始めましょう。
その後、目的語・補語・修飾語句へと視線を移していくことで、英文の骨格を素早くつかむ力が養われます。

最初から完璧に理解しようとせず、「大まかな内容がつかめているか」を確認する意識を持つことが大切です。
分からない単語が出てきても立ち止まらず、前後の文脈から意味を推測しながら読み進める練習を重ねましょう。
この読み方を身につけることで、読むスピードと理解力の両方が自然と向上していきます。

練習方法の例:

  • 教科書の英文を音読し、意味のかたまりごとにスラッシュを入れる「スラッシュリーディング」
  • 同じ英文を繰り返し音読し、スムーズに読めるようになるまで練習する「リピーティング」
  • 速読を意識して同じ英文を複数回読み、毎回理解度を確認する練習

② 長文の中で単語・文法を「使いながら覚える」

単語帳や文法書で覚えた知識は、実際の文章の中で使われてこそ意味を持ちます。
長文を読んでいて分からなかった表現を、その文脈の中で理解し直すことで、知識が実践的な読解力へと変わっていきます。

たとえば、”however” という単語を「しかし」と単純に覚えるだけでは、文章の中でどういう役割を果たすのかが分かりません。
しかし実際の長文の中で、前の段落の内容が “however” によって転換されている場面を経験すると、「ここで話題が逆転する」という感覚として身体に染み込んでいきます。

単語や文法を「暗記するもの」ではなく、「使いながら身につけるもの」として捉えることが、長文読解克服への近道です。
長文を読むたびに気になった表現をノートにメモし、類似した表現が出てきたときに照合する習慣をつけると、語彙力と読解力が同時に伸びていきます。

③ 段落ごとの「役割」を意識しながら読む

長文では、細かい部分だけでなく、段落ごとの役割や話題の展開を意識することが重要です。
英語の文章は多くの場合、以下のような構造で書かれています。

  • 導入段落:テーマの提示・問題提起
  • 本論段落:具体的な説明・根拠・事例
  • 転換段落:反論・別の視点の提示
  • 結論段落:まとめ・筆者の主張

「この段落では何が言いたいのか」「話題はどう変わったのか」「筆者が最も伝えたいことは何か」といった点を意識しながら読むことで、内容理解が格段に深まります。

段落を読み終えるごとに、一言で内容をまとめる習慣をつけると効果的です。
最初は日本語で構いません。「この段落はプラスチックゴミの問題について述べている」「この段落では解決策が紹介されている」といった形で整理していくと、文章全体の構造が見えやすくなります。
この力は高校英語や大学受験にも直結する重要なスキルです。

④ 音読を毎日の習慣にする

音読は、読解スピードと英語の語順への慣れを同時に鍛えることができる非常に効果的なトレーニングです。
黙読だけでは気づきにくい「英語のリズム」や「意味のかたまり」を体感できるのが音読の大きなメリットです。

毎日5〜10分、教科書や既に習った英文を使って音読する習慣をつけましょう。
内容が分かっている文章を音読することで、意味処理の自動化が進み、初見の英文でもスムーズに読めるようになってきます。

音読の効果をさらに高めるには、CDや音声教材のネイティブ発音を聞いた後にまねして読む「シャドーイング」や、音声と同時に読む「オーバーラッピング」なども取り入れてみてください。

⑤ 背景知識を広げる読書・情報収集の習慣

前述のように、英語の長文読解には背景知識も大きく影響します。英語の勉強だけでなく、日本語でもよいので多様なテーマについての知識を積み上げることが、長文読解力の底上げにつながります。

NHKのニュースや中高生向けの新聞・雑誌、科学系・社会系の読み物などを通じて、幅広いテーマへの理解を深めておきましょう。
英語の長文で「知っている話題」が出てきたとき、読解のしやすさが格段に変わることを実感できるはずです。

自己流では限界を感じたら、読み方を外から整える

長文読解は自分の弱点に気づきにくい

長文読解は、自分では「どこが分かっていないのか」が分かりにくい分野です。
「なんとなく読んだ」「だいたい分かった気がする」という感覚のまま学習を続けてしまい、誤った読み方に気づかないまま時間だけが過ぎてしまうことも少なくありません。

努力しているのに成果が出ない場合、原因は学習量ではなく読み方にあるケースが多いのです。
特に「英文を後ろから日本語に組み立てている」「分からない単語があるたびに思考が止まる」「段落全体の意味を把握せず設問を探している」といった読み方のクセは、自分ではなかなか気づけません。

客観的に読み方を確認することで理解が変わる

オンライン家庭教師では、生徒が実際にどのように英文を読んでいるのかを確認しながら、つまずいているポイントを一つひとつ丁寧に整理していきます。
「どこで意味が途切れているのか」「なぜそこで止まってしまうのか」を言葉にして説明し、正しい読み方を繰り返し練習することで、英語の文章がこれまでとはまったく違った形で見えるようになります。

また、オンライン指導では画面共有を使って生徒の読み方をリアルタイムで確認できるため、「この文の主語はどこだと思う?」「この段落で一番大事な情報はどこ?」といった問いかけを通じて、読解プロセスそのものをトレーニングすることができます。

長文読解の力は、一朝一夕には身につきません。
しかし正しい方向で練習を続ければ、着実に力はついていきます。
「なんとなく読む」から「理解しながら読む」へ、この転換こそが、英語力を本質的に伸ばす第一歩です。

まとめ

中学英語の長文読解が苦手になる原因は、努力不足や暗記量の問題ではありません。
正しい読み方を知らないまま学習を続けてしまっていることが、最大の要因です。

まず大切なのは、単語・文法の知識と「読む力」は別物だという認識です。
単語を覚えること自体は重要ですが、それだけでは文章は読めません。
実際の文章の中で使いながら覚えることで、はじめて知識が読解力へとつながっていきます。

また、完璧な日本語訳を目指す読み方から脱却し、流れをつかみながら前から順に読む習慣を身につけることも欠かせません。
読むスピードを上げるためには、音読やスラッシュリーディングといったトレーニングが効果的です。
さらに、段落ごとの役割を意識しながら文章全体の構造を把握する力を養うことで、筆者が何を伝えたいのかを正確につかめるようになります。
加えて、日本語で多様なテーマに触れ背景知識を広げておくことも、英語の文章理解に確実につながっていきます。

こうした読み方の改善は、自己流では気づきにくい部分でもあります。
努力しているのに成果が出ないと感じたときは、学習量を増やす前に、読み方そのものを外から客観的に見直すことを検討してみてください。

早い段階で読み方を整えることで、英語は「苦手な科目」から「理解できる科目」へと確実に変わっていきます。
感覚や暗記だけに頼らず、正しい読み方を身につけることこそが、中学英語の長文読解を克服するための最短ルートです。

オンライン家庭教師ドリーム
教務代表 山田 祐大

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